担当のSSRが来た日

7月26日15時。デレステにおいてSSRメアリー・コクランがピックアップされたガチャが終了した。だからというわけではないが、彼女のSSRについて記事を書こうと思う。

 

7月22日月曜日。ローテーション的にはデレステのガチャ更新にパッションが含まれることは知っていたが、正直期待はしていなかった。二人実装が本格的になってきたとはいえ、メアリーの順番はもっと後、もしかすると今年中には来ずに、トリに近いぐらいになるかもなとさえ思っていた。なので、15時の更新は確認もしていなかった。

夜。仕事を終え、ガチャ更新あったなと何気なくデレステを開く。なるほど、関ちゃんか。ということは、パッションもボイスがある子かな・・・と思っていると、目に飛び込んできたのは、プールサイドで笑う、メアリー。「ヒッ」と息が抜ける音がした。それは「恐れ」だったのかもしれない。ついに来たのだ、その時が。彼女の最初で最後であろうSSRが。

何故このような反応になったか。それは物事をネガティブに考える癖のある自分が辿り着いた一つの考えがあったからだ。それは、「SSRデレステにおける、そのアイドルの墓標となる」という考え。デレマスの環境は厳しい。いちいち例や状況を上げたりはしないが、SSR1枚を与えられるかわからないアイドルがいる世界だ。そういうアイドルにSSRが与えられる時、それは自ずとデレステ世界における、そのアイドルの結論、終着点、完成となる。たった1着の、そのアイドルしか着用できない衣装と共に。それ以上はない。そのアイドルが残した軌跡と結果が刻まれたもの。それは墓標というものだろう。

しかし、メアリー・コクランは担当だ。それが墓標だろうが何だろうが、向き合う覚悟は決めていたし、どんなセリフが、コミュが、衣装が来ようとも、受け止めて愛してあげるぐらいしか自分にはできない。それに、やはり嬉しかったのだ。爆発的な、叫ぶような喜びではない。震えるような、噛み締めるような喜びだったが、嬉しかったのだ。

天井に到達した10連で、お迎えする。ピックアップ特殊演出に浮かぶ、メアリーのサイン。彼女らしい、流麗なアルファベットのサイン。動画でも残したが、この瞬間は忘れないようにしようと思った。一度きりしかない瞬間で、祝福すべき瞬間だったから。

カード名は「レットイットキュート!」。let it cute.

ポイントはherではなくitだということ。herだとメアリー自身で確定するが、itだと例えば有名なlet it beのように、itを何と取るかで解釈が変わる、つまり何が「可愛くなる」かはこちらに委ねている。英語の妙。アメリカ人のメアリーらしいカード名だと思う。

衣装も、自分は初期Rのリファインかなと思っていたら、アメリカ要素を全面に出しつつ、それにアイドルがくわれないまとまったデザインであった。言葉で語るより見てもらった方が早いので、スクショとかを見てもらえると有難い。

特筆すべきはコミュである。特に親愛度コミュ。これはデレステにおいて、そのアイドルとカードの方向性を端的に表すコミュである。あの短文のセリフに、下手なイベントコミュ全話以上の解釈の余地と、情報が敷かれている。故に、ここが素晴らしい出来だったのは本当に嬉しかった。

どれぐらい嬉しかったかというと、前述の墓標だの何だの思考が吹っ飛び、メアリーとまた歩み続けられる未来が見え、そして。

「彼女の担当で本当に良かった」

と思えたぐらい。

このブログにも記事があるが、自分は一回、彼女から逃げ、目を背けてしまった。そうしながら、未練がましいことばかりしていた。周りに励まされ、恥ずかしながら戻ってきた。そんな暗い記憶を持つ自分の前に、

”アタシから目を離さないで”

”どんなアタシでも、きっとダーリンに見せてあげるからネ”

”・・・大好きよ、マイダーリン”

と言ってくれる彼女は、墓標なんかじゃない。新しい道であり、未来であり、福音だった。

もう少し頑張ろうと思った。メアリーがいる世界は厳しい世界だが、まだ彼女は消えたわけではない。自分も目を離したわけではない。

彼女に関わる日々が、足跡になっていくのだろう。それがすぐ消えてしまっても、足跡は確かに刻まれたのだ。

最後に、この言葉を持って記事を〆させていただく。

 

「出会ってくれて、ありがとう」