デレマス4thライブを終えて
神は「光あれ」と言われた。
すると光があった。神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。
神は光を昼と名付け、やみを夜と名付けられた。夕となり、また朝となった。第一日である。 (旧約聖書 創世記 1:3~1:5)
神は光を作り出した時、その夜の闇が深くなったことに気付いたのだろうか。
モバマスに声という光が降り注ぎ、デレステという新たな光が現れた時、その闇がより深くなったことに気付いた者はいたのだろうか。僕は10月16日にその闇に気付き、制御できなくなった。
アイドルマスターシンデレラガールズ4thライブは神戸2days、さいたまスーパーアリーナ2daysの構成であった。僕はデレマス自体はサービス開始の時からやってはいたものの、デレステの盛り上がりに押されるような形で、ライブ初参加を決意した。といっても、チケット抽選は当然の如く外れたので、神戸はLVにて参加した。
素晴らしかった。何よりも素晴らしかったのは、デレステの有効活用になり、声がないはずのメアリー・コクランが、ライブで短い時間とはいえ、踊っていたのだ。
まだその時の息が詰まるような感動を覚えている。デレステによってアイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツはさらに進化し、次のステージに入ったことは明らかであったが、音ゲーである以上、声のあるなしは活躍の機会に差をつけてしまっていることに、悶々としていたのだ。デレステのモデリング自体は素晴らしく、(メアリー・コクランのマジでかわいいから使って。本当に。お願い。SRそれなりの能力値あるし。)コミュも用意されており、さらにホーム画面会話もあるので、声なしとはいえ参戦すれば、担当のアイドルの新たな魅力を発見できるので余計に。
しかしそんなデレステが生の現場であるライブと奇跡を化学反応を起こしてくれたのだ。声あり、声なし関係ない。誰もがシンデレラなのだ。アイドルマスターシンデレラガールズなのだ。そう思った。そして、さいたまスーパーアリーナのLVも行こうと思った。
そして10月初め。嬉しい知らせが入った。長い付き合いの友人が海外出張のため、ライブにいけなくなったので、2日間通し券を譲ってくれたのだ。とても嬉しかった。LVであれだけ感動したのだから、現地ではさらに感動するだろうと思っていた。
実際、素晴らしいライブだった。1日目のBrand New Castle、2日目の346 Castleの両方合わせてアイドルマスターシンデレラガールズの光の全てを見たように感じた。これまでの、現在の、そしてこれからの・・・アイドルマスターシンデレラガールズは素晴らしいものであるだろうと、そう思ったのは事実だ。
でも、そこにメアリー・コクランはいない。という事実がどうしようもなく苛んだ。こんなに素晴らしいコンテンツにいる僕の好きなキャラクターなのに、今目の前に彼女はいない。
こんなこと思っても仕方ない。デレマスだってコンテンツである以上、稼がねばならない。慈善事業ではないのだ。765を除いて183名もキャラクターがいる以上、取捨選択は必要であるし、選ばれたキャラクター、それを演じる声優さんはこんなにも素晴らしいライブを提供してくれる・・・、そうも、思うのだ。いや、それが全てなのだろう。
だから僕の嘆きは子供の駄々、わがままに近しい。僕が好きだから特別扱いしてくれなんて、小学生で卒業すべきだ。
それでも!それでも悔しくて!悲しくて!切なくて!どうしようもなくて!でも切り離すこともできなくて、捨てることもできなくて!
思わず、ライブ後の光に満ちた場でどす黒いものを吐き出してしまった。そして疲れ果てて寝た。
・・・翌朝、起きてみると僕のツイートにしては珍しいぐらいの反響があった。それに目を通していたら、何故だか余計に辛くなって、名古屋に帰ってきたからも戦利品の限定CDの封を開けるどころか、目を背けてしまった。秋葉原で買ってきた卯月と莉嘉のfigmaも、CPにあんな感情をぶつけときながら手元にあることが虚しくなって、封も開けずに放置していた。
東京遠征の疲れもあって、本当に弱気になり、デレマスが怖くなり、このままデレマスから離れていくのではないかという危惧さえ抱いた。
日常に帰り、そんな思いを抱えてながらわかったことが、やはりメアリー・コクランのことを切り捨てることはできず、例え、彼女に声がなくても、総選挙ランク外でも、僕は彼女の横に居たい、ということだった。
それはとても簡単なことで、でもとても難しいことだとわかったけど、僕は、彼女にしてあげたいと思ったことを、できる限りしていきたいと思った。
・・・今日、戦利品を開封した。ツイッターにも顔を出した。また、僕のメアリー・コクランへの本気だか本気じゃないんだかわからないプロデュースが始まる。
聴いてみたCDでライブにいけて本当に良かったと思うことができた。
龍崎薫ちゃんのハイファイ☆デイズは最高だった。龍崎薫ちゃん、デレステがなかったら、その可愛さを知ることもなかっただろう。
・・・結局、アイドルマスターシンデレラガールズのモヤモヤはアイドルマスターシンデレラガールズで解消するしかないのだ。
そのモヤモヤの解消が、メアリー・コクランの躍進であることを願って。
世界に たった一つだけの マイライフ 誰にも出来ない事があるよ 憧れだけじゃ らしくないから この手を伸ばそう (お願い!シンデレラより)
Hearts of Iron4 ソビエト連邦AAR ・・・みたいなもの
今回はパラドックスインタラクティブが発売しているHearts of Iron4というゲームのAAR(After Action Report)をお送り致します。
○Hearts of Ironとは?
パラドックスインタラクティブが発売している第二次世界大戦をテーマとする歴史シミュレーションゲーム。当時存在していた国家のほとんどをプレイヤーの国として選択でき、どう導いていくかもプレイヤー次第。世界情勢に影響を与えるレベルの歴史改変は大国にしかできませんが、小国でも史実ではあえなく滅んだ国を生き残らせる・・・のようなプレイも可能。
今回私が選んだ国はソ連。共産主義勢力の盟主であり、アメリカと並ぶ超大国の一つ。・・・ではあるものの、ドイツと日本等の潜在的敵国に挟まれ、広大な領土の管理を求められる上に、ヨシフ・スターリンの大粛清という避けえない大ダメージイベントが控えている、シリーズ通して超大国ながら初心者にはオススメできない国家でもあります。
まあ、前説はこんなものにして、AARに移りましょう。
第1章 アメリカ制圧戦争
1936年1月。世界恐慌から始まった世界の混乱は、ドイツの再軍備宣言、イタリアのエチオピア侵攻、日本の軍拡、それを阻止できない疲弊した前大戦の勝者達などにより混迷を深めていた。ここソ連でもスターリンによる大粛清が目前との囁かれ、トロツキストとの政治対立がソ連を内側から動揺させていた。
しかし、目前と囁かれた大粛清の代わりに行われたのはスターリンのアメリカへの戦争工作であった。ソ連は日々アメリカを批判し、批難し、我々の敵であると訴えた。「資本主義勢力との戦い」を声高に訴えたのだ。ソ連軍全軍も極東に移動し、スターリンがアメリカとの戦争を始めようとしているのは明らかであったが、超大国の激突はないだろうと人々が考えていたのも事実であった。
そして。1936年6月21日。ソ連、対米宣戦。
ベーリング海を渡り、アラスカを制圧したソ連軍は米海軍の初動の遅れをついて圧倒的劣勢な海軍力にも関わらず、西海岸の制海権を一時的に確保すると、アメリカ本土に全軍が上陸。突然の開戦で慌てふためく米陸軍を蹴散らし、包囲し、殲滅していった。
首都ワシントンとニューヨークと本土の大半を制圧されたアメリカは降伏。1937年6月27日のことであった。世界を驚愕させた超大国の激突は、一年で終結したのであった。
第2章 大粛清
アメリカを制圧し、莫大な工業力と人的資源を手にいれたソ連であったが、スターリンの猜疑心は限界に達していた。対米戦の勝利により湧き上がる軍部、対米戦の中も続けられたトロツキストとの政治闘争によりである。
対米戦の終結を確認したスターリンはついに大粛清の開始を宣言。粛正が粛正を呼び、嵐がソ連を駆け抜けた。
スターリンの粛正により、トロツキストは壊滅。それどころか、スターリンの一派にも処刑が相次いだ。軍部の粛正による影響はすさまじく、人材が枯渇し、指揮統制はままならず、対米戦に勝利した時のソ連軍はどこにも存在しなかった。アメリカ制圧により、動揺していた世界各国も、このソ連の「自爆」により、ひとまずの安心を得たのでった。
第3章 欧州の戦争とソ連の再動
ソ連が大粛清からの再建に注力している間に、ヒトラー率いるナチスドイツによるラインラント進駐、オーストリア併合が行われた。ヒトラーが次に目を付けたチェコスロヴァキアは英仏に助けを求め、英仏は独立を保障。ヒトラーが手を引き、ドイツの領土拡大はここまでかと思われた、1939年4月。ドイツはポーランドに宣戦布告。これを見た英仏はついにドイツに宣戦布告。再び欧州で大戦が勃発した。
それから4ヶ月後の8月。「資本主義勢力との戦いの再開」を宣言したソ連はポーランドに宣戦布告。同時に英仏との戦争にも突入した。ドイツ国境で戦闘していたポーランド軍主力の背後をつくようにソ連軍はポーランドに進撃。ワルシャワを陥落させ、ポーランドは降伏した。2ヶ月間の出来事であった。
1939年10月から2月までの4ヶ月は、ドイツがフランスを破り、枢軸国入りしたイタリアがユーゴスラビアを制圧したものの、ソ連軍は英仏と一切の戦闘がなく、「まやかし」のような戦争を行っていた。しかしそれは、ソ連軍が完全回復するまでの時間でしかなかったのである。粛正後、軍の再興に尽力した将軍、それを全面的に後押ししたスターリンの政治も相まって、ソ連軍は新生。これを見たスターリンは強化されたソ連海軍をもって英国本土上陸作戦を発動した。イギリス北部の制海権を奪取したソ連軍はイギリス北部に強襲上陸をかけ、イタリア攻略に戦力を割いていてがら空きの本土を南下。全土の制圧に成功、イギリスは降伏した。1940年4月のことであった。
これにより英仏は降伏し、連合国は壊滅したものの、フランスはアフリカで抵抗を続け、枢軸国はアフリカに戦力を傾けるようになる。イギリス政府はイギリス領インドに避難、イギリス領インドが連合国の盟主となる。そしてソ連軍以外がいなくなった欧州をスターリンが見逃すはずはなかった。
第4章 世界大戦へ
1940年4月のイギリス降伏から1ヶ月。5月3日にソ連はドイツに宣戦布告をし、枢軸国との戦争に突入した。ドイツ東側国境とルーマニア国境から320師団、西側からはイギリス本土を拠点として70師団が東西からドイツに流れ込んだ。
ソ連軍の圧倒的な兵力を前に、ルーマニアは10日で降伏した。しかしドイツ国内やユーゴスラビアでの戦闘はドイツ、イタリアの兵力展開が早く、一進一退の攻防を繰り広げる。一か月の戦闘の後、ベルリンは陥落。ヒトラー率いるドイツ政府はミュンヘンへと逃れた。
政府がミュンヘンに移ったことにより、ドイツ南部に防衛戦力が回され、連合国軍入りして敗北したチェコの領土や、元オーストリアでの戦闘は激しさを極めたが、ベルリン陥落後のドイツ北部はソ連軍に蹂躙された。
一方、極東でも日本との戦闘が始まっていた。ソ連の対独宣戦布告を見た日本が枢軸国に参入したのだ。しかし日本は1938年から始まっていた中国との戦争を有利に進めていたものの、戦線が伸び切り、ソ連との国境はがら空きに近かった。ソ連極東方面軍3個軍、72師団は2個軍が満州を攻め、1個軍は日本本土上陸を担当した。ウラジオストクで工場をフル稼働させて作られていたソ連海軍潜水艦150隻が日本海の制海権を奪取。ソ連軍は日本本土に上陸。本土防衛部隊を撃破し、本土を制圧した。
これにより日本は降伏。中国国内に残された日本軍は本土を失いながらの中国軍、ソ連軍との絶望的な戦いを強いられることになる。
欧州でも戦いも決着が迫っていた。
元フランス領に少ない兵力しか配置できない枢軸国はパリの陥落を許し、
ドイツ北部ではルール工業地帯を制圧、南部ではプラハ、ウィーン間の防衛線をついに突破したソ連軍はミュンヘンを制圧。ヒトラーは自殺し、1940年7月、ドイツは降伏した。
残すはイタリアのみとなったが、降伏した枢軸国の残党が全てイタリア本土に流れ込んだため、抵抗は激しいものとなった。何とかユーゴスラビアを突破し、ヴェネツィアまで至るもそこで攻勢は停止してしまう。1ヶ月の膠着の後、ソ連軍アドリア海の制海権を奪取し、ユーゴスラビアからイタリア本土への強襲上陸を敢行。見事成功し、前線の後ろをついたソ連軍はローマを陥落させ、本土を蹂躙。イタリアもここに降伏する。
1940年9月16日。ついに枢軸国との戦争は終結した。4ヶ月の戦いではあったものの、ソ連軍のほぼ全力を傾けた激しい戦いであった。
和平条約は中国の張北にて結ばれた。
終章 世界革命
枢軸国の降伏により、ほぼ全ての大国を打倒したソ連をもはや止められるものはいなかった。バルト三国、北欧の併合、中東の制圧、そしてイギリス領インドの併合。イギリス政府ははオーストラリアまで逃れるものの、ソ連軍が追撃を緩めることはなかった。
連合軍も打倒し、ソ連軍は最後の大国の打倒に取り掛かる。中国である。
長大なソ連中国国境に300師団を超えるソ連軍が並び、中国を二分していた両国を蹂躙。戦いは3ヶ月で終結した。
中国の打倒を確認したスターリンは「世界革命の達成」を宣言。残る国々の反発はあるかもしれない。しかし、どの国であろうと、もはやソ連軍の敵ではないのである・・・。
世界革命が成された世界の姿。
~おわりに~
これまではスクショの2,3枚ごとにツイッターで投稿していましたが、あまりにも貯まり過ぎたため、こうした形で公開。結構長々と書いてはいますが、ドイツに苦戦したぐらいでアメリカ本土を制圧した時点で大勢は決していたようなものでした。
開始速攻アメリカ制圧は日本のお家芸(?)だと思っていましたが、試したところ初期のウラジオストクにいる貧弱潜水艦隊でも運が良ければ制海権を取ることができ、初期の手持ち陸軍全軍を投入すればアメリカ降伏もいけました。ただし大粛清はそれからになりますが、軍の再建に力を入れればドイツが暴れるまでには間に合うはずです。
さて、こんな拙いAAR・・・ぽいものを読んでいただき、ありがとうございました。
次はイタリアあたりでやろうかなあ・・・。
現実(にんげん)対虚構(かいじゅう) ~シン・ゴジラ感想~
最初に一言。
シン・ゴジラ、見てくれ。
はい、というわけでシン・ゴジラ最高でした。正直最初はエヴァも作らずに、「シン」なんて名前つけてゴジラ作るとか何考えてるんだ庵野、とか思っていて超否定的でした。そう、公開前日までは。
しかし、公開されてから自分のツイッターのタイムラインでは絶賛の嵐。あれ、もしかしてこれは一刻も早く見なければいけない作品なのでは?と思い、明日の日曜日に友人と見に行く約束をしているにも関わらず、一人で見に行くことに。
さて、このシン・ゴジラ。まず言っておけねばならないのは、滅茶苦茶面白いのは事実なのですが、平成バーサスシリーズとは面白さのベクトルが違うということ。このシン・ゴジラではゴジラは徹底して人類の敵で、早々にコミュニケーション不可能と断じられます。シン・ゴジラのタイトルが初代ゴジラをリスペクトしている時点で察しはつきますが、面白さとしては初代ゴジラや1984年のゴジラのようなベクトルの面白さです。実際、それらの作品をモチーフとしたシーンも多かったですし、それらを庵野監督風にアレンジした感じです。
なのでキッズには少し退屈な作品かもしれません。決して万人受けする作品とはいえないでしょう。ゴジラが暴れるシーンより会議してるシーンの方が、圧倒的に長いですし、というか殆どがそれです。その分自分はゴジラが暴れるシーンにカタルシスを感じることができたのですが。「幼少期に平成バーサスシリーズに触れ、初代ゴジラをビデオで何度も見た」僕のような人間には直撃と映画だったといえます。
この映画には主人公が二ついます。1つはもちろんゴジラです。そしてもう一つは「日本という国家」です。現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)とポスターに銘打ってありますが、本当に良いキャッチコピーだと思います。この映画を一言で説明するなら、まさにそれなのですから。
この映画においてゴジラは徹底的に「虚構」で「大きな力」の象徴です。虚構なのでいきなり出現します。そこに詳細な説明はありません。ゴジラが海底で目覚める描写とか、氷河割って出てくる描写なんてありません。まるで災害のように突如出現します。そして虚構なので、嘘のような不死身さと火力を持ちます。後述する弱点を除けば、歴代最強のゴジラに立候補できるレベルです。
そしてこのゴジラ、変態します。第一形態を見た時のインパクトはすさまじいです。ぶっちゃけ気持ち悪い。四足歩行するウナギとでもいえばいいのでしょうか。細長い身体に水生動物特有の無機質な目。それが東京の街を破壊していく姿は悪夢そのものです。そしてここで観客は気付くのです、「これは僕達が見てきたヒロイックなゴジラでは一片たりともない。人類の敵たる不気味な巨大生物である」と。そこで一度観客の認識を揺るがした後に、徐々にゴジラに似た形状に変態していくことにより、観客は「シン・ゴジラ」という新しいゴジラを植え付けられるのです。
しかしこのゴジラ、一つだけ弱点があります。滅茶苦茶燃費が悪い。核動力とはいえ動けば廃熱のため海に帰る必要があるし、放射熱線を吐けばたちまち沈黙します。あれだけの巨体を動かすエネルギー効率という、この「虚構」のゴジラに唯一空いた「現実」という穴を日本、ひいては人類はついていくことになります。
この映画において「日本という国家」は徹底的に「現実」であり、「小さな力」の象徴です。ゴジラが町中を闊歩していても官僚主義、民主主義、会議、稟議、派閥、出世競争といった出来事に対応が後手後手に回ります。自衛隊が初弾を撃つのに映画の半分ぐらいかかるゴジラ映画はこれが初めてなのではないでしょうか。
庵野監督はこの映画に日米関係、戦後秩序という日本の外面的な現実と、事なかれ主義、硬直した政治という内面的な現実の二つを要素を封じ込めています。それがゴジラという虚構の出現によって変化していく、作品終盤の言葉のように「スクラップアンドビルド」されていく映画でもあります。
特にアメリカとの関係は重点的に描かれています。この国の原爆投下によって初代ゴジラが生まれ、ひいてはシン・ゴジラの誕生に繋がったのですから。日本がアメリカの属国である、という発言までありますが、アメリカを日本の一方的な害悪として描いているではなく、アメリカという国はあくまで日本という国との対比として持ち出されています。実際、アメリカの協力なしでは作中でゴジラを倒すことはできませんでした。
ゴジラは倒されます。そこは「現実」が怪獣映画らしく、虚構を打ちのめすシーンです。戦後日本の成長の証がゴジラに襲い掛かります。自衛隊や米軍の軍事力では敗北しなかったゴジラは、日本人が築いてきた「現実」の前に倒れ、日本人の作戦の前に敗北するのです。
色々と書きましたが、このシン・ゴジラは初代ゴジラ以来の「祖」と呼んでもよいゴジラ映画になったといえます。現代版、庵野監督版、初代ゴジラ。
最後にもう一回言います。
シン・ゴジラ、見てくれ。
[8月1日追記]
この映画は「リスタート」の映画です。
ゴジラのリスタート。
3.11や様々な災害を経験している日本のリスタート。
そして日本に戻ってきたゴジラを鑑賞した我々ゴジラファンのリスタート。
なので、旧来のゴジラへの概念は参考程度に留めて、リスタートの気持ちで鑑賞すると良い映画なのかもしれません。
冬の日、ソープにて
平成28年1月23日。日本に未曾有の寒波が襲来し、寒さが身体の芯まで染み渡る日。
僕(童貞)は、ソープの前に立っていた。
一週間前。友達(童貞)は言った。
「このまま童貞なのは嫌だ。女性に対する自信が欲しい。ソープへ行こう。」
女性に対する自信をつけるためにソープって、その考え方がそもそも歪んでいる気がするが、オッパイ揉みたいしフェラして欲しいし、何より排尿器官としてしか使用していない我が愚息に活躍の場を与えてたいと常々考えていた僕は諭吉2枚を捨てる決心をし、これを承諾した。
あっという間に一週間が過ぎ、来たる土曜日。人生初の体験に午後からどうも落ち着かず、AVを見て勃起の調子を見てみたり、綿棒でチンコの掃除なんてしつつ、夜を待った。
仕事終わりの友達の連絡を受けて、ついに出陣の時。名古屋のソープ街目指して出発する。BGMはカブト以降の平成仮面ライダーOPにした。
「一体自分以外誰の強さ信じられる?」
「変わることを恐れないで明日の自分見失うだけ」
「Break the chain」
「本当の自分出逢うため 歩き続けるのさ今を」
「僕らを繋いだ風を止めたくない」
「Life goes on 本気出して戦うのなら負ける気はない」
・・・と、平成仮面ライダーの歌詞に勇気を貰っていたところ、オーズのOPが終わった時に目的地の駅に到着。少し待ってると友人が来た。
さっそく目的の店のある方へ向かった。
ちなみに、予約はしてない。ネットで嬢の情報を見てみたりしたものの、正直わからんかったので、飛び込みで行って居る嬢で決めてみようと思ったのだ。ほら、人生は一期一会ってフォレストガンプで学んだし?
目的の店の位置を確認すると、一応、目当ての店以外見てみるために近所を回ってみた。
暗い。
街が暗い。半分住宅地のような場所なのに、まるで深海にいるような静けさだ。その暗い海に泳ぐ魚を求めて彷徨う男たちがちらほらを見受けられた。
結局目当ての店に入ることに決め、扉の前に立ったものの、ここで友達が怖気つく。帰りたいとか言い出す。いや、そりゃ俺も少ない給料から諭吉2枚捨て去るんだし、デレステのメアリーのガチャ回したい気持ちもあるし、帰りたい気持ちはあるよ…でもここまで来たら行くしかない。行かなきゃこの先の人生たぶんこんな機会なんてない。
何とか説得して、店内へ。
「ご予約は?」
「してないです」
「1時間待ちです」
撤退。
そして友達の心が完全に折れた。しかし僕は諦めきれない、嬢との戦い以前に自分に負けるのだけは嫌だ。友達を帰らせ、僕は1人で店に舞い戻る。
「1時間待たせてくれ」
入泉料を払い、カードを渡される。アルバムではないのか…。4枚だ。僕の手札だ。スヌーピーも言っていた。人間は与えられた手札で勝負するしかない、と。
今までない勢いで嬢のデータを見てライフカードのごとく見比べる。ここで気づく。おかしい。嬢のデータ違う。年齢が違うし、写真も加工感上がってる。早速スマホで嬢のデータを確認する。やはり。少し前のデータなので年齢が低くなってるし、ネットの写真より加工してある…!カードの時点では結構悩んでいたが、ネットのデータで全ては決した…と思ってたら受付の人から「決まりました?」と声をかけられ超キョドる。決めた嬢のカードを渡す。
ななみちゃん(26)、君に決めた!
ちなみに店内BGMが栄光の架け橋なのが印象的だった。
その間に他の人が呼ばれていたのだが、当たり前だが名前を教えていないので指名した嬢の名前での呼び出しであった。緊張していた自分は指名した嬢の名前をど忘れしていたため、少し焦る。ありがとう、ネットの履歴。
無駄にサービスのお茶を飲んだり、置いてあった今週のジャンプを読む。
いやあ、ソープの待合室で読むジャンプは別格ですね。
そんなこんなでいよいよ待ちに待った時が。
「ななみちゃんをご指名のお客様~」
「ひゃ、ひゃい!」
何かウェスタンな酒場にあるドアみたいなところへ案内されると、そこにはななみちゃんが。
あれ、ババアじゃね?少なくとも20後半ではない。
いや、写真通りなんて期待してなかったけど…。
そんなななみちゃんに連れられて部屋へ。テンパり過ぎて靴脱がないで部屋に上がるという欧米人の真似して注意されたりしつつ。
「おっす、オラ童貞!わかんねえからよろしくな!」
とだけ最初のトークタイムに伝える。いや、本当はもっとしどろもどろだったけど。
トークタイムが終わると入浴へ。女性の前で全裸になるなんてママン以来だな…とか考えつつ、服を脱ぎ風呂場へ行くと身体を洗ってくれる。普通にチンコまで洗ってくれて「ひっ」と声が出る。
風呂桶に入って歯を磨いてると、マット使うか聞かれる。初回だし、童貞でも普通のセックスがしたい!ということでマット抜きをお願いする。
風呂場から上がるといよいよベッドへ。ついに童貞とオサラバする瞬間だ。
しごきながら最初は乳首攻め・・・
気持ちいいけどこんなもんか・・・とか思っていたら
!?
まるで蓄積値があったかのように、とんでもない快感が全身を疾走する。やばい。気持ち良すぎる。乳首という着弾点から快感が電撃のように全身に流れる。おまけに乳首というグラウンドゼロはショート寸前。いますぐイキたいよ。
そんな泣きたくなるようなムーンライトな快感に酔いしれてると、フェラに移行。これも気持ちいい・・・アッタカイナリィ・・・本当に「グポッグポッ」って音するんですね。これからその擬音を採用しているエロ漫画家は信用します。
そしていよいよ挿入。騎乗位。愚息が何かを押しのけて進んでいく未知の感覚を得ながら、挿入完了。それからピストン開始。
・・・いやあ、気持ちいいけど、期待値よりは低かったな・・・。
なかなか射精しない僕にななみちゃんが
「自分で動いてみる?」
と提案。後背位に姿勢を変更。やっと果てる。でも個人的には騎乗位の方が好き。
後背位の挿入時にアナルに入れそうになるというエロ漫画でしか聞いたことないミスをしたのは内緒である。
時間はまだあったので、再びしごきながらの乳首攻め。どうやら一番エクスタシーを感じていたのを見抜いていたらしい。そこからは延々と乳首攻め。
頭がおかしくなりそうになった。性的快感で理性が飛びそうになるとかフィクションかよとどこかでバカにしてた自分を罰するかのように、僕は乳首攻めで痙攣寸前まで追い込まれた。
たぶん、60分乳首攻めとかされたら「んほおおおおおおおお!!」とか言って女騎士化してたかもしれない。
乳首攻めの快感に悶えていると時間が迫ってきた。再び身体を洗って服に着替える。
終わりのトークでななみちゃんに感謝を述べ、僕の60分初風俗は終わった。
店から出ると冷たい風が頬を撫でる。行く時は冷たいだけだった風が今は気持ちいい。
世の中には「セックス」という行為があるということを、改めて噛み締めながら、
乳首と股間に疼きを抱え、家へと帰るのであった。